プレゼントを届けるのはサンタじゃなく「博士」!? 大みそかにブドウを12粒!?|スペインのクリスマス【映像翻訳者の部屋から①】

この冬、Eチャンでは英語圏のクリスマスカード事情を紹介しましたが、お国が変われば文化も様々。今回は映像翻訳者のYuki先生が驚いた、スペインのクリスマスの習慣をお届けします。
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普段は英語圏のドラマやドキュメンタリーを翻訳しているYuki先生ですが、たまにスペイン語圏や韓国、中国の作品を担当することがあります。翻訳された英語のスクリプトを元に、字幕や吹替え用セリフを作るんです。近年の担当した吹き替えのお仕事に、スペインを舞台にしたドラマがありました。劇中で、こんなセリフが出てきたんです。

主人公の老夫婦がクリスマスイブの翌朝、ツリーの下に置いてあるプレゼントを見て、こう言います。

Madre mía, lo que nos han traído los Reyes.
Wow! what The Three Kings brought for us!
なんと! 3人の王がプレゼントを持ってきてくれた!

「3人の王 」って、、、どなた?? サンタクロースはどこへ!?

調べてみると、新訳聖書の「マタイによる福音書」に登場する占星術の学者たち(ギリシャ語でマゴイ:聖職者や占星術師を意味する)に由来することが分かりました。英語では、”3人の王(スリーキングス)”と訳されますが、日本語では”三博士”、”三賢人”などと呼ばれます。この人たちは、キリストが生まれた知らせを聞いて、東の方から宝物を持ってベツレヘムの馬小屋にやってきます。この絵の左側の人たちです↓

ここで、キリスト降誕の物語をざっくりと
①ナザレでマリアの前に大天使が現れ、イエスの受胎を知らされる。
②身ごもったマリア、婚約者のヨセフ(ダビデの子孫)とユダヤのベツレヘムへ。
③ベツレヘム の宿が満室のため、馬小屋に宿泊し、出産。
④星から、イエス誕生の知らせを聞いた三博士が、馬小屋に宝を持って現れる。

カトリック教徒が圧倒的に多いスペインの人々にとって、クリスマスは大切な宗教行事。新訳聖書の記述に沿って、キリストの降誕をお祝いします。しかも長~い期間をかけて!

スペインのクリスマスは、なんと!年明けの1月6日まで続きます。 1月6日 は 、”三博士が馬小屋に到着したのを祝う日”。前日の5日に、盛大なパレードやショーが行われ、 三博士が乗った山車が登場します。Yuki先生が担当したドラマでは、12月25日にプレゼントが届いていましたが、通常はこの1月6日の朝に、三博士から届いたプレゼントを開封するのが伝統だそうです。 そのためスペインでは、サンタクロースの文化も多少はあるものの、「クリスマスのプレゼント=三博士から」という考えが圧倒的だそうです。

また、例の担当したスペインのドラマでは、大みそかのカウントダウンでブドウを食べるシーンも出てきました。不思議な光景だと思って調べてみると、これまたビックリ! スペインでは大みそかに12粒のブドウを食べるんだそうです。家族でテレビの前に集まり、中継されるマドリードの有名な時計台の鐘に合わせて、1粒ずつブドウを食べ、新年の幸運を祈るそうです。除夜の鐘とまさかの共通点が!

海外のドラマや映画を見ることで、海外の文化に触れることができます。それを伝えるのが翻訳者のシゴト。これからも、意外で面白い!さまざまな文化を紹介していきますね。

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